飯田橋の「ほしの」に一年半ぶりに行く。マスターは僕のことを覚えていてくれた。思わず一人で深酒する。今の仕事に就く二日前、上智大学の女友達と一緒に朝の4時まで飲み明かした。
バーに寄って帰るのがささやかな楽しみ。頼むのはフレンチ・コネクション。ジャズを聴きながら。一年近く通いつめて先日はじめてマスターと言葉を交わした。バーテン歴20年。10年続けると仕事もいろいろと見えてくるらしい。
Jim JarmuschのDown by LawをDVDで流している。野郎三人、森の中でたき火を囲んでいる。Tom Waitsが好きで、ゴダールの「カルメンという名の女」のワンシーンが忘れられない。
フランスにいたときに感じたフランス人の仕事の仕方。徹底的に休みたいから、徹底的に仕事を効率化する。無駄なことはしない。細かなことにこだわりすぎない。いま求められているのも、そういうことなのかもしれない。
おそらく体の奥の方が純粋に、非常に疲弊しているんだろうな、と思う。疲弊の極北の中で自分が確実に失われていくのを感じる。過去の自分に幻想を抱くような歳でもないが、それでもパリに戻りたいと時々思う。
アルトーを研究していたから、という訳でもないだろうが、自分にとって「分身」というのは生涯つきまとうテーマになりそうだ。ジュネが『泥棒日記』においてすでに提示していた他者としての自己という感覚は、私にとっておそらく唯一の救いである。そんな私の楽しみは、そのような存在としての自分を徹底的に突き放し、もてあそぶことであろう。
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